R18 ダイヤモンドの燃焼

ダイヤモンドから黒色の固体として炭素を取り出す実験教材

目的:

ダイヤモンドが炭素でできていることを実感できます。
物質をつくる成分への興味関心を高めることができます。

対象:

中学校 第1~3学年

カテゴリー:

化学

材料:

メレダイヤモンド(直径1.5mm 程度のもの)
石英ガラス製丸底フラスコ(50mL)
ポリ袋(ヘイコーポリ袋№ 3,80mm × 150mm)
ストロー(φ6 mm)
実験用気体酸素(ナリカ,5.0L,95%)
1 つ穴ゴム栓
ポリ袋(ヘイコーポリ袋№ 1,70mm × 100mm)
ガラス管(外径6mm、内径4mm,50mm)
トーチバーナー(IWATANI,CB-TC-BX)
軍手

点火装置:

マグネシウムリボン
ドライヤー(TESCOM ,SU-13,1200W)
プラグと導線のセット(Fig.6で示したもの)
スタンド
10 %塩酸
1 つ穴ゴム栓
ガラス管(外径6mm,内径4mm,長さ50mm)
銅線(φ1 mm × 100mm)3本
ニクロム線(コイル状,定格600W,φ 0.7mm,10mm)
重ね合わせ接続子(オーム電機,DZ-P-2/Z(20),外径4.0mm,内径2.4mm)2個
ポリ袋(ヘイコーポリ袋№1,70mm × 100mm)

方法:

■ダイヤモンドの燃焼

①ダイヤモンドをフラスコに入れる。
②酸素を注入し、フラスコの中を酸素で満たす。
③先端にポリ袋(70mm×100mm)をとりつけたガラス管を1つ穴ゴム栓に通し、フラスコの口に装着する。(このポリ袋は熱膨張をした場合のバッファーとしてとりつけている。)
④軍手をした手で丸底フラスコの口付近を持ち、Fig.2のように横に寝かせた状態でダイヤモンドを集中的に強熱する。
⑤1,2分でダイヤモンドが赤熱し、十数秒するとFig.3のようにダイヤモンドに点火して燃焼を始める。ダイヤモンドの燃焼が始まったら、丸底フラスコ を炎の中に入れたまま、酸素と触れやすくするために、Fig.4のようにダイヤモンドをフラスコ内で転がしながら加熱を続ける。
⑥十分にダイヤモンドを燃焼させたフラスコを火からはなし、フラスコ内を観察すると、ダイヤモンドのすがたが見えなくなっていることが確認できる。

■フラスコ内の二酸化炭素の還元

ダイヤモンドを燃焼させたフラスコに、ヒーターとそれに触れるよう固定したMgリボン(Fig.5)を入れる。次にFig.6のようにヒーターをスライダック接続し、適当な電圧を加えてMgリボンを着火させる。Mgリボンが燃焼しているときの様子は、Fig.7の通り。

■マグネシウム、酸化マグネシウムの溶解

①生成物(Fig.8)をフラスコにもどし、フラスコ内に10 %塩酸約20mL を入れて、軽く振り混ぜながら生成物をとかす。

Mg + 2HCl → MgCl + H
MgO + 2HCl → MgCl + H

Fig.9のように、炭素のみが黒い固体として水溶液中に残り、炭素が生成したことを確認することができる。

Fig.1

Fig.2 How to heat a diamond

Fig.3

Fig.4

Fig.5

Fig.6

Fig.7

Fig.8

Fig.9

Takuya Miyauchi, Masahiro Kamata “Classroom Demonstration: Combustion of Diamond to Carbon Dioxide Followed by Reduction to Graphite” J. Chem. Educ. 2012, 89, 8, 1050–1052