R01 エネピック

目的
エネピックは、光と電気間のエネルギー変換や変換時のロスについて体験的に学習できる教材です。また、コンデンサーの働きや発光ダイオードの特性、あるいは電気回路そのものの学習にも利用できます。

対象
小学校 第4・6学年
中学校 第2・3学年

カテゴリー
物理、ものづくり

作り方
製作に必要な部品は以下のとおりです(Fig.1参照)。
(1) 赤色LED (OptoSupply, OSHR5111A) … 2個
(2) コンデンサー (220 μF, 16V) … 1個
(3) 抵抗器 (2kΩ, 1/6W) … 1 本
(4) ビニルチューブ (外形12mm, 内径10mm, 長さ45mm) …1 本
(5) トアロンチューブ (外形16mm, 内径12mm, 長さ8mm) …2 個
(6) OHP フィルム (35 ×10 mm ) …1枚
(7) OHP フィルム (20 × 10 mm ) …1枚
(8) アルミテープ (35 × 10 mm ) …2枚

回路の組み立て方
Fig.2(A)に示したように、2本のLEDを直列に接続し、これにコンデンサーと抵抗器を接続します。この時の回路は、Fig.2(B)に示す通りで、スイッチ を入れていない(充電中)時が同図の左、スイッチを押したとき(放電中)のものが同図の右のようになります。組み立てられた回路は図3のようにビニルチューブに入れ、スイッチはトアロンチューブのリングで本体の側面に固定します。

使い方
●充電方法:
Fig.4に示したように、エネピックのLEDを光源の方に向けてください。2本のLEDが直列に接続されているので、コンデンサーの端子間の電圧は3.5V程度になります。光源に液晶プロジェクターを用いると充電は10秒程度で完了します(Fig.5参照)。
また、太陽に向けた場合、1~2分で充電が完了します(Fig.6参照)。

●放電時:
スイッチを押すと、Fig.2(B)の右の回路図のように、一つのLEDのみにコンデンサーの両端の電圧がかかるので、そのLEDのみが点灯します。点灯の様子は、Fig.7に示した通りで、点灯継続時間は数秒程度です。

充電に要した時間と放電時の点灯継続時間の違いから、児童・生徒は、エネルギー変換時のロスを感覚的に認識することができます。

REFERENCES(文献)

WATANABE,M.and KAMATA,M.Trial use of an energy conversion tool “Ene-pick” in junior high school science. Bull. Tokyo Gakugei Univ. Nat. Sci., 65: 1-7 (2013)(written in Japanese)

M.Watanabe and M.Kamata, “A Tool for Helping Students to Realize Energy Conversion between Light and Electricity”, Jouornal of the Physics Education Society of Japan, Vol. 59, pp.9-13 (2011) (written in Japanese)

Masahiro Kamata and Yuna Tamamura,”Tiny tool converts light to electricity”, PHYSICS EDUCATION, 45, 224-226 (2010)